食いもん礼賛〜おひとりさま食探訪日記

当たりはずれも楽しみのうち…

昼食探訪12

今日の昼ご飯はまたもや神田界隈の蕎麦屋訪問、江戸蕎麦御三家のひとつ、「更科」の正統な分店である「錦町更科」へ。

社宅から徒歩30分強の距離、蔵前橋通りから神田明神の北側を越え、お茶の水を通ってお店へ向かうことにした。

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聖橋。撮り鉄さんが機材を構えて3本撮りを狙う。ここはニコライ堂が異国っぽい雰囲気を出していて好きな場所

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途中怪しげな洋食屋発見。でも行くことはないだろう

場所はお茶の水から明大通りを歩き、靖国通りを超えて3分ほど歩いて左へ曲がるとすぐに見える。更科は麻布十番に本店と呼べる店が3種類あるが、それ以前に一度廃業しているし、その後屋号がらみでゴタゴタし3種類になった経緯があるようで、個人的には錦町が正統な継承店だと勝手に思っている。開店は1869年。

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趣のある外観。萌黄色の暖簾が季節感を感じさせる

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席について最初に、江戸切子風のグラスに驚く。ただの市松模様でも雰囲気がある。しかも水かと思ったら蕎麦茶。今までにないこのおもてなし感。期待大。

舞茸天と豚つけ汁のせいろを注文する。着物姿の女将さんが付かず離れずの良い接客。

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先客2名。この風情を少人数で楽しめるとは…

しばらく待っているとやって来た。

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まず、蕎麦の量が多い。藪蕎麦系の3枚分はある。先客は大盛りを頼んでいたがまさに山盛りだった。大盛りにしなくて良かった。

舞茸天は揚げたて、つけ汁の豚肉もかなり多い。蕎麦は細めでそれほど香りはないがコシのあるサラッとした感じがつけ汁に合う。

そば猪口につけ汁をれんげですくい、白濁した蕎麦湯を入れて締める。口の中にカツオの風味が広がる。美味い。至福のひと時。

いや、本当に美味しかった。しかも量と値段のバランスが取れていて、満足感が高い。店の雰囲気も接客も、全てが庶民的で、かつ歴史の長さから来る温かみのある、素晴らしい蕎麦屋だ。

これで「藪」「砂場」「更科」江戸蕎麦御三家制覇。

「錦町更科」

 舞茸天と豚つけ汁のせいろ1,200円

 再訪レベル★★★

ごちそうさまでした。