軽食探訪③
昼ご飯が10時半と早めで、そのあと横須賀までプチ旅行に出掛けたので小腹が空いた。
ということで、神田和泉町、昭和通りから東へ少し入ったところにある「そば処二葉」で軽く一杯。
黄土色の暖簾が渋い
天ぷらの種類が豊富
ここも秋葉原界隈では有名な立ち食いそば屋だが、あえて今回(初めてだが)春菊天のうどんを注文する。なぜかと言うと、うどんが特徴的だからだ。
これは…果たしてうどんなのか
濃い色のかけつゆにに平べったいきしめんのような麺は、もはや関西人にとってのうどんからは程遠いビジュアルだが、この店オリジナルのうどんと思えば別に文句を言うつもりもない。
かけつゆはかつおだしの効いたごく普通の関東風、この平べったく柔らかい麺がよくつゆを吸い、なかなか美味い。麺の食感もつゆの濃さも味付けも全く違うが、大阪うどんの、あの柔らかい麺が出汁のきいたつゆを吸った感じに似てなくもない。しかし、おやつにしては量が多く、他店の大盛ぐらいある。春菊天の酸味が味にアクセントをつける。
あさりのかき揚げや貝柱のかき揚げ、椎茸天など、他の立ち食いそば屋には見られない天ぷらで再度、今度はそばで試してみたい。
「そば処二葉」
春菊天うどん390円
再訪レベル★
ごちそうさまでした。
昼食探訪16
今日の昼ご飯は神田須田町、靖国通りと中央通りの交差点から南西に少し入ったところにある「栄屋ミルクホール」へ。
何十年と変わらぬ店構え。初めてだと入るのに躊躇する
周りの蕎麦屋や天ぷら屋に比べると歴史は浅いが、それでも50年は優に超えるであろうこの店構えは、それだけでタイムスリップ感がすごい。
10時半の開店だが準備中、とあったので恐る恐るドアを開けて聞いてみるとどうぞ、とのこと。すぐ後ろにもひとり客が。
ミルクホールと言うぐらいだから、本来はミルクや紅茶、軽食を出す当時はお洒落なお店だったのかもしれないが、今のメニューにはラーメン&カレーセットがあるのでそれを注文。どうやらラーメン、カレー、それとこのセットが有名らしい。
ところでこのラーメンとカレーのセットや、そばとカレーのセットは大阪では見かけない、東京ならではのセットメニューだ。正直言ってとんでもない組み合わせで、食というか味覚に対する冒涜にも思えるが、腹を満たすにはまあわからなくもない。
ラーメンもカレーも懐かしいビジュアルで登場
さて、カレーが来た後にラーメンも到着。カレーは一口食べると何というか、既視感ならぬ既食感?を感じる懐かしい、甘口の優しい味。どこで食べたか思い出せないが、どこかで食べた味。特筆して美味いわけでもなく特徴があるわけでもない。でも、美味い。
そしてラーメン。典型的な昭和の醤油ラーメンで、こちらもなんの特徴もないが、なんの違和感もなくスルスルと喉を通る。スープも極々普通の醤油ベースのスープ。でも、美味い。
ここは、美味いとか不味いとかのお話ではない、何か不思議な、味覚と記憶を繋ぐタイムマシンのようなお店だった。
「栄屋ミルクホール」
ラーメン&カレーセット1,000円
再訪レベル★★
ごちそうさまでした。
昼食探訪15
今日の昼ご飯は上野駅近くのガード下、アメ横とは反対側にある「麺屋武蔵 武骨相傳」へ。
お店の右側がアメ横。左の高架は新幹線
店構え。店内も綺麗で接客も丁寧
つけ麺だけでなく上野界隈はラーメン激戦区。たくさんありすぎてわからないし、もうラーメン屋を1軒1軒食べ歩ける年齢でもないので、Googleマップで目に留まったお店のうち、ここに行こうと決めた。
値段的にはやや高めだが、種類も多く麺量の融通も効く。なにより美味そうだ。
券売機で相傳つけ麺白の中盛りを買う。つけ汁は白黒赤とあり、相傳というのが他の店で言う特製のようだ。さらに濃厚つけ汁タイプや普通のラーメンもある。
ビジュアル感で美味そさを強調
つけ麺屋は麺を茹でるのに時間がかかる。しばらく待って供されたそれは、太い麺と大きな焼豚が目を引く。
まず、麺。モチモチとして、小麦の甘味が感じられる。美味い。つけ汁は豚骨魚介系のようだが、ダシやニオイの押しつけ感のない自然な美味さが良い。麺とつけ汁のバランスがすごく良くて、つけ汁の旨みと麺の甘味がお互い邪魔せず丁度良い具合に混ざり合う。うん、これは美味いなあ。
焼豚はどちらかというとハムのようで、脂身の少ないしっかりした食感。これもつけ汁に合う。これ以上脂っこいとつけ汁の味が濁るような気がする。
中盛りでもかなりの量で満足感は高いが、食べ終わった後のスープ割りがさらに素晴らしい。割るとスッキリとした飲み口なのに旨味が残り、しかもわざとらしさがない。腹一杯だったが思わず飲み干してしまった。
いや〜美味かった。この量、美味さなら値段に見合うと思える。やっぱり行って良かった。
「麺屋武蔵」武骨相傳」
相傳つけ汁白中盛り1,150円
再訪レベル★★
ごちそうさまでした。
夕食探訪⑤
今日の晩ご飯は、春日通りと清洲橋通りの交差点を北へ3分ほど歩いて左に入ったところにある「レストランベア本店」。
街中にある洋食屋さん、といった外観
「ベア」は周辺に何店舗がある。別の店に数年前に一度行ったが、何というか、いかにも常連贔屓の、一見客には居心地の悪い店のイメージだったが、この本店はまるで正反対の、入った瞬間からアットホームなほっこりするお店。
メニューはいろいろあるが、昼だけでなく夜時間にもお得な定食が別メニューで存在していたので、その中のB定食を注文する。洋食定番のハンバーグ+エビフライ+目玉焼きのセット。
いかにも洋食、という盛付け
まず、ご飯の量が多めだ。みそ汁。出汁がきいて美味い。サラダもスパゲティも自分の家で食べるような味付けの、懐かしい味。
ハンバーグもそうで、ひき肉と玉ねぎのしっかり感、ソースの酸味などが小洒落た洋食屋とは違う、どこか記憶にあるような美味さ。
お店の人の気さくな感じや料理の味がなんとも心地良い、良いお店だった。
「レストランベア本店」
B定食820円
再訪レベル★★
ごちそうさまでした。
軽食探訪①
昼ご飯の天丼が結構な腹持ちの良さだったので、今回「神田まつや」は断念し帰宅。代わりに間食として社宅の近く、清洲橋通り沿い、蔵前橋通りとの交差点を南に行ってすぐの所にある立ち食いそば店「スタンドそば野むら」を訪問。
スタンドそばというネーミングは珍しい
お昼時も終わっているのでトッピングは残り少なめ、春菊天が食べたかったが売り切れたとのことで、かき揚げそばを注文。
漆黒のつゆに華やかな色合いが映える
茹で置きのそばを温めてかき揚げを載せて出て来たそれは、いわゆる典型的な東京のそば…そう、関西人と東京人がうどんとそばのつゆの濃さで必ず一悶着あるあの「あんな真っ黒いつゆで食えるかい!」のあのつゆが再現されている。
とにかく、つゆの色が黒い。器のせいかと思ったが、確実に濃い。一口すすると味も濃い。甘辛い。例えて言うと、ざるそばのつけつゆを温めてそのままかけそばにして出してしまったような、そのぐらいのインパクトのある味。しばらくするとそばまで黒く染まって来たぞ。
そばは立ち食いの域を出ない、田舎風のボソボソとした食感。かき揚げはクリスピータイプで、つゆに浸すとこれまた褐色に…。
う〜む、東京の濃口好きの俺でも流石にむむむと思ってしまう、頑固なまでの東京スタイル。
いや〜、やられました。
「スタンドそば野むら」
かき揚げそば420円
再訪レベル★
ごちそうさまでした。
昼食探訪14
今日の昼ご飯は神田司町、一八通り沿いにある江戸前天ぷらの老舗「八ッ手屋(やつでや)」へ。先日の「錦町更科」の帰り、たいそう風情のある天ぷら屋があるなと思っていたら、創業100年を超える老舗とわかり、これは行かねばと思った次第。
1914年創業。老舗感全開の外観
真新しい藍の暖簾が気持ちいい
ここは天ぷらよりも天丼の方を推しているようで、値段もかなりリーズナブル。まさに庶民の天丼屋、という感じ。
先に注文と会計を済ませるシステム。天丼の中を頼み好きな席へ。
入り口を眺めながらの席がやはり雰囲気が良い
お茶とたくあんの漬物が先に出され、天丼と一緒に珍しいにゅうめんのお吸い物が。
いかにも江戸前天丼、というビジュアル。タネは海老天2匹とゲソのかき揚げ。ごま油で揚げられたややモチモチとした衣に甘辛いたれ、実に江戸前、これぞ江戸前、という味。もちろん天ぷらもご飯もアツアツだ。
これで800円は安くないか?と思うのだが、上天丼でも1,100円と、まさに庶民の味方。
大将と店員のおばちゃんの他愛ない会話のやりとりを聞きながら、実に良い雰囲気の昼食を過ごした。
「八ッ手屋」
天丼(中)800円
再訪レベル★★
ごちそうさまでした。